志に酔いしれる - 水滸伝(北方謙三)
漢と書いて、おとこと読む。
そういう漢の小説を書いてみたいと思った。
(中略)
『水滸伝』である。百八人の好漢が綾なす、この古典が私は好きだった。中には、好漢と呼んでもいいのだろうか、と思うような人間もいたけれど、とにかく登場人物のキャラクターが、妖しく、魅力的なのである。
登場人物108人にも及ぶ古典を『解体し、再構築し、私の作家的想像力も抑制しない』という方針で書かれた北方謙三版水滸伝全19冊。試しに1冊手に取ってしまったのが運の尽き、2週間もしないうちに全巻読破、さらに読本も読んで、大満足の「読書の秋」体験でした。
まだ読んでいない人はぜひ読んでみることをお勧めします。One Pieceのような『仲間・冒険といったテーマを前面に掲げ、少年漫画の王道をいくストーリー展開』が好きな人は、はまる可能性大です。
過去、途中で諦めた人には文庫版がお薦め。解説がネタバレなしに読者の興味を煽るように書かれているので次を読みたくなります。ちなみに以下は19冊の解説者リスト。珍しいところでは吉川晃司さんもその一員です。