「コモディティの乱高下」と「代替エネルギー最有力候補の先行き不透明感」
タイトルのようなことを以下のニュースを見て感じた。石油メジャーについてこういう話は聞かないから、あくまで過渡期・異常な市況による影響と楽観視していいのかなぁ。
Pushed by Credit Crunch, Ethanol Producer Declares Bankruptcy
化学業界の話題: 米国エタノール最大手、更正法申請
目立ち始めた米国コーン産業の異常事態 | コモディティレポート | Klugクルーク 為替、海外投資、ヘッジファンドでハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラム
コーヒーと紅茶には、カップ一杯には納まりそうにない深い話がある
当時のイギリスのコーヒーハウスは政治的な討議を行う場というだけではなく、世界中の情報(ニュース)が一番早く集まる場所であり、株・商品の取引が行われたり金融機能を果たす場所だったりしたのである。端的に言えば、公共圏としてのコーヒーハウスというのは『市民(市民意識)』を生み出して拡散させる場所であり、近代市民社会の模範的な原型を示す社交の場であったが、ここでいう政治主体としての市民には『女性』が含まれていなかった点に注意が必要である。本棚に積ん読状態になっていたコーヒーが廻り世界史が廻る―近代市民社会の黒い血液 (中公新書)を読んでいたところだったので、本の内容の一部が分かりやすく要約されたような上記エントリーを読んで、要点が整理されました。感謝多謝。
蛇足な補足として、イギリスにおけるコーヒーハウス文化の衰退と紅茶の台頭の話、イギリスとは異なりコーヒー文化が今日まで生き残ったフランスの話を、同書から抜粋メモ。
- イギリス
- フランス
- 当時広く信じられていた「コーヒーに含まれる様々な有害物」を中和するため、フランス名産の牛乳を混ぜたカフェ・オ・レが好んで飲まれた
- フランス領西インドでの栽培に成功したコーヒーの販路開発の結果、コーヒーが一層飲まれるようになった
- コーヒー文化の担い手が、初期から女性であった*3
また全部を読み切ってはいないけれど、イギリスの章を読んでいて印象的だったのがコーヒーハウス文化の担い手たちの特徴や求められていた資質への言及。意見交換の場が社会の住民に与えた効果や、時代にフィットするタイプの考え方について、時代は違えど今も昔も似たような結論に至っているのがとても興味深かったです。
コーヒーハウスは文学者の生活の中心を占めると同時に、近代市民社会の住民を、判断し批判する公衆に押し上げる一翼である「読者層」を創りだす拠点でもあった。この「読者層」とはなによりもまず、「自分の家でよりも多くの時間をコーヒーハウスで過ごす立派な市民」のことである。彼らは簡潔な文章で意見を表明する技術を学ぶ。というのも、「耳は目のように長い文章を追うことができない」からである。コーヒーハウスは彼らに異なった意見を交換することから、彼らの公的見解を形成する技術を習得させたのである。
自分の意見をもっぱら他人の意見を拝聴して作り上げた人間が、己の判断力をもっぱら読書を通して養った人間よりも優れているとは、本来とても言えないはずである。しかし前者が柔軟性に富み、敏捷性に優れ、社交性に溢れ、一言で言えば、時代にフィットするタイプであることは疑いがない。
志に酔いしれる - 水滸伝(北方謙三)
漢と書いて、おとこと読む。
そういう漢の小説を書いてみたいと思った。
(中略)
『水滸伝』である。百八人の好漢が綾なす、この古典が私は好きだった。中には、好漢と呼んでもいいのだろうか、と思うような人間もいたけれど、とにかく登場人物のキャラクターが、妖しく、魅力的なのである。
登場人物108人にも及ぶ古典を『解体し、再構築し、私の作家的想像力も抑制しない』という方針で書かれた北方謙三版水滸伝全19冊。試しに1冊手に取ってしまったのが運の尽き、2週間もしないうちに全巻読破、さらに読本も読んで、大満足の「読書の秋」体験でした。
まだ読んでいない人はぜひ読んでみることをお勧めします。One Pieceのような『仲間・冒険といったテーマを前面に掲げ、少年漫画の王道をいくストーリー展開』が好きな人は、はまる可能性大です。
過去、途中で諦めた人には文庫版がお薦め。解説がネタバレなしに読者の興味を煽るように書かれているので次を読みたくなります。ちなみに以下は19冊の解説者リスト。珍しいところでは吉川晃司さんもその一員です。
ドラッカーを読んでみる
- 作者: 久恒啓一
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2004/08
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
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- 時間管理
- 集中と見極め
- キャリアと人生
- 社会と個人
- 経済至上主義
- 未来予測
この本の次は、「初めて読むドラッカー」シリーズ。
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「若者論」を疑え!
『「ニート」って言うな!』共著者による初の単著。
- 作者: 後藤和智
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2008/04/09
- メディア: 新書
- 購入: 7人 クリック: 217回
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ただ、それを一般の人たち、不安に怯えている人に気づかせるには、やるべきことがあると思うんです。統計を持ち出したり、言説の論理的破綻をついて、「彼らの報道や言説は間違っているんですよ」という指摘が、下地固めとして必要だと思っているんですね。(中略)新聞やテレビでは、どうしても客観的な統計について説明するのは難しい。また、学術的な部分はもっと触れにくい。そこで、学術的や統計的なものを、かみ砕いて説明する作業が必要で、私はそういう役割だと自負しています。(P.25)
本の冒頭、前書の共著者との対談で自身のオリジナリティを問われ、上記のように答えた著者が自負どおりの仕事をした一冊。年長者はこれを読んで少しは自重し、若年者はこれを読んで説得力を備えればよいと思う。
第四章のタイトルになっている
- 「前提」を疑うことから始める
というのは、最近気になっていることがまさに「???」な前提に立脚してるのでタイムリーだった。対象がなんであれ、「○○である」と言われている・思っていることについて、「○○なのか??」と考え直してみることは大事だな、と改めて気づかせてくれた一冊。
9月10日に新しい本を出されるようです。
おまえが若者を語るな! (角川oneテーマ21 C 154)
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わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 近ごろの若者は当事者意識がなく、意志薄弱で逃げてばかりいて、いつまでも「お客さま」でいる件について
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 最も古い「最近の若者は…」のソース
ブログ再起動
青臭い感じですが、思うところあって、自分の考える「人の役に立つ仕事」をすべく、半年ほど準備期間に入ります。
ご報告 - 退職しました - Pieces Of Peace
と書いたのが約4か月前。準備もある程度のところまで来たので、ブログを再開することにしました。と言っても意識的に書くのを止めていたわけではなく、準備に集中すべく書くことを遠ざけていたら、いつしか書くきっかけを失っていました。「準備しなきゃいけないのにブログ書いててどうする!」という後ろめたさもあったようにも思います。
で、再開の直接のきっかけはid:yohmeiさんの以下のエントリ。
でも、何かを、自分の言葉で何かを書き残しておかないと、自分はまったく人間的に成長しないんじゃないかという思いもあった。そうこうと悩んでいるうちに、まあ徐々に治ってきたかんじ。もともと自分のために書いているんだし、世相のログなんて大したことはできないけど、個人の関心はたくさんあるしそれは書き残していかないともったいない。未来の自分のために。リハビリ再開。
ブログ - はちすのみ
そう、考えるだけでは振り返られないというか、自分がどう感じ、考え、行動したかの記録も残らない。同じく世相のログなんてたいしたことはできないけど、せめて自分の変化のログ、そうchangelogのようなものは残しておきたい。
興味の向くまま気の向くまま、自分のかけらを記録にして残す作業、再開。
ご報告 - 退職しました
4月30日付けで新卒で入社以来4年勤めた会社を退職しました。青臭い感じですが、思うところあって、自分の考える「人の役に立つ仕事」をすべく、半年ほど準備期間に入ります。
この結論に至るまで、多くの友人・知人・先輩に相談にのってもらいました。彼ら/彼女らに感謝しつつ、じっくり腰を据えて取り組んでいこうと考えています。
みんなありがとう!これからもよろしくお願いしますm(__)m